夢に堕ちて、3秒。




突然声をかけられて、立ち止まる。
パタパタと足音を立てて駆け寄ってきたのは、古典の先生だった。


「ごめんねー!呼び止めちゃって。相庭さん確か古典の係よね?これから用事とかってある?」

「えっ…あ、いや…全然……」


突然のことに戸惑って、つい素直に返事をしてしまう。

あ、と気づいた時にはもう遅くて。


「よかった!悪いんだけどこのノート、国語科の職員室まで運んでおいてくれないかしら?先生これからすぐ帰らなくちゃいけなくて…!」

「え、っと……わ、わかりました…」



山積みになったノートを受け取る。

お、重い……。


「本当にごめんね!ありがとう〜!」

なんて言って、先生はバタバタと走り去ってしまった。


がっくりと項垂れて、ため息をつく。
ふとノートに目を落とすと、それは隣のクラスのもので余計にうんざりした。

隣のクラスの古典の係の子に頼めばいいのに。


愚痴をこぼしても仕方ないか、と割り切って、来た道を引き返す。

国語科の職員室は昇降口とは反対方向で、しかも違う棟の3階。

…そんな長い道のりをこの大量のノートを持って行くのか。
もう既に手が痺れかけてきたんだけど。


はぁ、と肩を落とした時。