夢に堕ちて、3秒。




綾羽は全然わかってない!

綾羽が騙される前に目を覚まさせなきゃ、と口を開いた瞬間、強烈な視線を感じてちらりと廊下を見やると、少しつり目の晶の瞳と視線がかち合った。


ギクリとして、慌てて口を閉じる。


「なんか言いかけなかった?」
「いや、何も…。」


机を見つめたまま口をもごもごと動かすと、綾羽は「そー?」なんて言いながらお似合いだと思ったけどな〜とこぼした。


「やめてよ、そんなんじゃないんだから…」

「でも、高槻くんって男女分け隔てなく優しいし、クラスのムードメーカーって感じで一緒にいると楽しいし、何よりめちゃくちゃイケメンだし、あんな人と幼馴染ならあたしなら秒で好きになっちゃうけどね。」


「実際めっちゃ高槻くんのこと好きな子多いよね〜。過激なファンもいるみたいだよ。」
と綾羽は廊下を眺めながら言う。

「あはは…優しい、ねぇ…?」




再び廊下へ目を向けると、晶はもう私を見てはいなかった。