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更紗のことが好きだと気づいたのは、中学1年の夏だった。
小学生のころは好きとか嫌いとかの前に、更紗の隣に俺がいて、俺の隣に更紗がいるのが当たり前だったから。
けど、中学に入ったあたりで周りの男子が急に「誰がかわいい」「誰と付き合いたい」とか。
なんの贔屓目なしに見てもかわいいし、控えめな性格の更紗は、そんな男子達の注目の的だった。
「相庭さんってめちゃくちゃかわいくね?」
「告白してみようかな〜!」
そんなふうに騒ぐクラスメイトに心底いらついた。
お前らみたいな浅い付き合いのヤツが何言ってんだ。
更紗の隣にいるのは俺以外あり得ないだろ…って。
そう思ってやっと、俺は更紗のことが好きなんだって気づいた。
…だけど俺は、『幼馴染』に甘えていたかったから。
更紗に告白するなんてことはせずに、周りの男どもを牽制することにした。
下心丸出しで更紗に絡もうとするやつ、それどころか更紗に話しかけようとする奴ら全員に圧をかけて関わらせないようにした。
そんな、ある日の放課後のことだった。