夢に堕ちて、3秒。




「……それ、は」


どういう意味。


「俺は夢魔で、言うなれば更紗の夢の中に『勝手に入ってきた』存在だ。なら、どうして更紗の夢の中に入ろうと思ったと思う?」

「…………」


返せない。わからないよ。

………本当、なんだろうか。


黒羽さんの瞳に映る私は、ゆらゆらと揺れていた。

彼は口元に弧を描いて、「それはね、」と呟く。


「俺がずっと更紗のことを見てたからだよ。
ずっと気になってた。傷ついてボロボロになってる更紗のこと、助けたいって思ってたから。
…それが恋に変わるのなんて、すぐだったよ」

「……っ」


信じたい。信じて、いいの?


こんな、自分の気持ちに気づいたばかりで。

好きな人と両想い…なんて、あってもいいんだろうか。



「私……私は、」


声が震える。

喉がカラカラだ。


「私…私も、黒羽さんのことが好きだよ」


呟くと、涙が出そうになった。



好きだ。彼のことが、好きなんだ。


きっとこの気持ちは、本物。


「更紗……」

上から、囁くような声が降ってくる。


恐る恐る見上げると、柔らかな笑みを浮かべた彼と目があった。


「黒羽さ…」

途端、顔が近づいて。


ちゅ、という軽い音と共に額に熱が降る。