夢に堕ちて、3秒。



黒羽さんは、私を見てふは、と笑った。


「百面相だ」

「………」


……誰のせいで。


むぅ、とふくれると、彼はまた笑う。


「恥ずかしがらなくても、更紗が寝てる時はいつも膝貸してるのに」

「えっ!?」


知らないところでとんでもないことが起きていた。



って、いうか。


「夢の中なのに、私、寝てるの…?」


それはいくらなんでも寝過ぎじゃない??

それじゃまるで、寝るの大好きな人みたいだ。


でもたしかに、黒羽さんはいつも私に「おはよう」って、言うんだよね。

私は寝てる自覚ないのに。



「まぁ、更紗がこっちに来られるのは夢の中にいる時だけだからね」

「んん…?」


よく、わからない。


人って、寝てるから夢を見るわけであって。

「私が起きてる時も夢の世界は続いてるってこと?」

「そういうこと」


せいかーい、なんてまたヘラヘラと笑っている。

でも、なるほど。それなら納得だ。


だけど…。


「それって、黒羽さん、すごく退屈じゃない?」

1日の中で絶対に起きてる時間の方が長いし、その間夢の世界の私が眠っているのなら、黒羽さんは一人で何してるんだろう。

ここ、テレビとかスマホなんてものもないし。というか、そもそも何もないし。


暇じゃ、ないのかな。