夢に堕ちて、3秒。



「もう、そんなことしたら濡れるでしょ」

黒羽さんは苦笑しながら私を抱き起こす。



「寝るなら、ここにして」

そのままポンポンと叩いているのは、彼の膝…もとい、ふともも。


それはつまり、膝枕ってことなるんじゃ。


いつかの日の、あのまつ毛のふれそうな距離を思い出して、頬が熱くなる。

あの時ですら心臓が飛び出そうなほどドキドキしたのに、好きって気づいた今そんなことしたら、私おかしくなっちゃうんじゃない?



「そこは………いい、かな」


身の危険を察知して、身体を起こす。

そんなの、ドキドキして死んじゃうよ。


そんな私の気も知らず、黒羽さんは


「そっか、残念」

なんて笑っていた。


なに、残念って!

思えばいつだって、黒羽さんは思わせぶりだ。

いつも顔近いし、すぐドキドキするようなこと言うし…。



もしかしたら私、大変な人を好きになってしまったのかも。