夢に堕ちて、3秒。



ピンク色の話題についていけずに1人項垂れる私の肩に、ポンと手が置かれる。


「どんまい更紗〜。まぁ更紗って恋とか興味なさそうだし、しゃーないよね」

「うぅ〜〜綾羽〜…っ!」


振り返った先に立っていたのは中学からの親友の綾羽(あやは)で、思わず抱きつく。


「…中学の頃から思ってたけど、みんな恋愛しすぎじゃない?私がおかしいのかなぁ」

はぁぁ、と机に突っ伏す私の頭を撫でながら、綾羽は苦笑した。


「まあ恋愛ってやろうと思ってやるモンじゃないしいいんじゃない?そんなん言ったらあたしだって初恋もまだだし」

「あっ、綾羽様…!」


なんていいことを言うんだろう。
やっぱり「彼氏欲しい〜!」って適当に彼氏つくるよりも自分の気持ちを大切にした方がいいよね…!

感動で思わず綾羽の両手を握ると、「えっ、な、なに」ってちょっと引かれた。



「…まあでも更紗っていつもあのイケメンな幼馴染が護衛してるし、周りの男どもも近寄りがたいんじゃない?」


チラリと、綾羽が廊下へと視線を移す。

数人の男子達に混じって、一際目立つ顔をしたアイツに、顔をしかめて目を逸らした。


「護衛って……。あれはただの嫌がらせだよ。本当に迷惑してるもん。
っていうかなんでここで(あきら)の話?」

「なんでって、そりゃああんなイケメンな幼馴染いて恋愛が云々とかぬかすからさぁ?」


チラリと晶を見やる。

ミルクティーベージュの髪をふわふわと遊ばせた彼は、同じく色素の薄い目を細めて笑っていた。

窓枠に肘をついてその長い脚を放り出しているだけなのに、やっぱり他の男の子たちよりも目を引く何かがある。


……悔しいくらい、見た目だけはいいんだよね。


「晶の本性知ってて好きになる人はちょっとどうかしてる。」


「え〜?そうなの?面白いしかっこいいじゃん」


「だからそれが表の顔なの…!」