夢に堕ちて、3秒。






その日の帰り道も、結局散々だった。


勘違いから生まれた『好きな人』がよほど晶の気に障ったんだろう。

「お前みたいなやつが調子に乗るな」
「上手くいくわけないだろ」

…延々と繰り返される言葉を無視できない私も私だ。
いちいち反応する私を見るのが楽しいんだろうけど、その言葉全てを無視できるほど私のメンタルは強靭じゃない。



…でも、前までの私とは違う。だって私には黒羽さんがいる。

黒羽さんならきっと、この嫌な気持ち全部食べてくれるから。



晶が見えなくなってから、急いで玄関の階段を登る。


早く、早く、早く。

震える手で鍵を開けて、ローファーがひっくり返るのなんてお構いなしで靴を脱ぐ。

夜ご飯、また食べられないかも。制服、シワになってもしょうがないよね。


はやる気持ちで扉を開けて、枕にダイブする。
早く会いたい。
隣で、この嫌な気持ちを拭ってほしい。



枕に顔を埋めたまま、キツく目を閉じた。