「さあ!聞かせてもらいましょうか!」
「だ、だから違うのに……」
お昼休み。
お弁当を広げて対面に座った綾羽が、ずずいっと顔を寄せてきた。
私はお弁当の蓋を開けるために俯きながらぐちぐちとこぼす。
でも、好き…とか、恋じゃないにしても黒羽さんが関わっているのは事実なわけで。
なんとも言いにくくなって、下ろした視線をさまよわせた。
「で?ほんとに好きな人でもできたの?」
「好きな人とかじゃ…」
でも、まさか夢の中にイケメンな夢魔が現れて私をなぐさめてくれた、なんてそんな話正直に言ったところで笑われるのがオチだ。
口籠る私を見て、綾羽は「あやし〜」なんてにやにや笑いながらご飯を口に運んでいた。
…ただ、正直心のどこかで黒羽さんのことをあてにしている私がいるのは自覚してる。
あれがただの夢じゃなくて、今日も会えたら…明日も、これから先もずっと会えたらいいのにって。
それが晶から逃げ出したいだけなのか、黒羽さんに会いたい私がいるのか、それはまだわからないけれど。
「なんの話?」
「わっ」



