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「…───う」
「……?」
声が聞こえる。
沈んでいた意識を起こしてゆるくまぶたを開ける。
「んぅ…?」
私、今まで何してたんだっけ。
晶と一緒に帰って、それから………。
とりあえず起きあがろうと床に手をつくと、ピチャリと冷たい感触がして、視線をそちらに向けた。
「え?」
水だ。
さっきまで、部屋にいたはずなのに。
…もしかして浸水!?
慌てて起き上がって、そして、私は目の前の光景に絶句した。
──何もない。
一面の水と、所々に咲いているのは…彼岸花?
でもそれ以外には何もなかった。
「…どこ、ここ………」
「やぁ、おはよう。更紗」
ぽかんと口を開ける私の後方から突然澄んだ声が響いて、慌てて振り返る。
そして…
息を、呑んだ。



