夢に堕ちて、3秒。







「お前、ほんとノロマ」
「…」

ノートを運び終わって、帰り道になってもなお晶は私の横を歩いていた。

そんなに私のことが嫌いなら、1人で帰ればいいのに。
それこそ、あの女の子達とカラオケでもなんでも行けばいい。

…晶は、よくわからない。



『あたしなら秒で好きになっちゃうけどね』

綾羽の言葉を思い出して、目を伏せる。



─本当は、好きだった。晶のこと。


生まれた時からずっと隣にいた晶。
小学生の頃までの晶は、優しくて、一緒にいるのが楽しくて。暴言吐かれたことなんて一度もなかったし、くだらないことでも笑い合えた。
綾羽のいう通りだけど、まるで当然かのように恋に落ちた。


だけど、晶は変わった。


中学生になった辺りから、晶は今の晶になった。顔を見れば暴言を吐くし、それでいて絶対に登下校は私と一緒。
行きも帰りもずっと浴びせられる悪口に、恋心なんてすぐに冷めていった。


…どうして、なんて、怖くて聞けなかった。

晶に何をしてしまったのかもわからないまま、私はそれからずっと、晶に嫌われている。