「お前、ほんとノロマ」
「…」
ノートを運び終わって、帰り道になってもなお晶は私の横を歩いていた。
そんなに私のことが嫌いなら、1人で帰ればいいのに。
それこそ、あの女の子達とカラオケでもなんでも行けばいい。
…晶は、よくわからない。
『あたしなら秒で好きになっちゃうけどね』
綾羽の言葉を思い出して、目を伏せる。
─本当は、好きだった。晶のこと。
生まれた時からずっと隣にいた晶。
小学生の頃までの晶は、優しくて、一緒にいるのが楽しくて。暴言吐かれたことなんて一度もなかったし、くだらないことでも笑い合えた。
綾羽のいう通りだけど、まるで当然かのように恋に落ちた。
だけど、晶は変わった。
中学生になった辺りから、晶は今の晶になった。顔を見れば暴言を吐くし、それでいて絶対に登下校は私と一緒。
行きも帰りもずっと浴びせられる悪口に、恋心なんてすぐに冷めていった。
…どうして、なんて、怖くて聞けなかった。
晶に何をしてしまったのかもわからないまま、私はそれからずっと、晶に嫌われている。



