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 ボーン、ボーンと振り子時計が12回鳴り終わった頃に男は戻ってきた。

「私、普通のって言いましたよね?」
「いやぁ、だって可愛かったから。僕も同じのを買ったんだ。ほら」

 男が買ってきたサンドイッチはいつもリリカが買う「普通の」ではなく、子供向けのピカピカと光るサンドイッチだった。
 しかし買ってきてもらって文句は言えない。仕方なくリリカはお礼を言ってにこにこ顔の男からそれを受け取った。ハムサンドはいつもと同じでピゲは少しほっとした。

 カチャ、とリリカは男の分の紅茶をカウンターに置く。

「良かったらどうぞ。お砂糖いります?」
「あぁ、ありがとう。もらおうかな」

 頬をピカピカと光らせながら立ち上がった男を見てリリカは心底呆れた顔をした。