可愛くないから、キミがいい【完】





結局、全てのスタンプを押し終えるのに校内を結構な時間歩き回らなければならなかった。

和泉しゅうが隣にいたせいで誰にも声をかけられなかったし、和泉しゅうもそれは同じだった。

ただ、二人とも色めく視線だけを感じるだけ。和泉しゅうに関しては最後までそんなもの受け止めようともしていなかったと思う。



ムカつくことばかり言ってくるし、天使扱いはしてくれないけれど、ずっとイライラしていたかと言われればそうではなく、取り繕ってニコニコしないですむのは不本意だけど、思いのほか気楽ではあった。



和泉しゅうに愛想は皆無だけれど、整いすぎた顔を時々歪ませて小さく私に笑ってくるのも、途中からそんなに不愉快ではなくなっていた。

まあ、それでも、和泉しゅうのせいで、わたしの“ちやほや”計画は、見事に失敗に終わったということはまぎれもない事実であるわけだけど。




「お疲れ様ですー、スタンプ見事12個集められたんですねー!」


一階の保健室のところで、スタンプラリーの紙を係の人に渡す。

全部の場所を探し当てるのに、とてつもなくくたびれたんだから、景品は豪華じゃないと許さないと思ってたのに、スタンプラリーの紙と引き換えに和泉しゅうに渡されたものは大きなあめ玉ひとつだった。