「へー。お前、顔以外で好きになったやつとかいたの?」
「そんなのいないけど、文句ある?」
「別にないけど。お前、いちいち突っかかってくんなよ、めんどくせえ」
「……みゆは、突っかかるの、別にめんどくさくないし。ていうか、みゆに色々言ってきてたけど、顔で選ばないとかそういうスタンス気取って、あんたこそ、結局、顔で選んでそう」
「どうだろうな。顔なんて所詮ただの記号だと思うけど」
「なにそれ。意味分かんないし」
「どうあがいても変わらないものは、つまらねーんだよ。俺にとって顔ってそういうものなのな。別にそれ自体に惹かれるとかはない。表情とか仕草とかの好みはあるけど」
「はあ?」
「はあ?じゃねーわ」
「はあ?だし」
「じゃあもう、はあ?って一生言ってろよアホ。つーか、どうでもいいけど、行こ。あと、四つスタンプ探さないといけないんだわ」
ほれ、とスタンプラリーの紙を筒みたいに丸めたもので、頭を軽く叩かれた。
心底、ジコチューなやつだと思う。
私とは相容れない考え方をする。
私のこと好きでもないくせに、嫌いでもないような態度をとってくることにも、さっきから困っている。



