可愛くないから、キミがいい【完】






そのまま、次のスタンプの置き場を探して歩く。

途中で、ミスターコンにエントリーされた人たちの一覧写真が張ってあるところを見つけて、思わず立ち止まってしまった。



その中でひとり、嫌々感丸出しで写る男の子をすぐに見つけてしまう。

どうせ、周りの推薦で出てしまっただけなのだろう。自分で出るような人ではなかった。



山路君が言ったとおりで、ミスターコンのエントリーした人の中に元カレは二人いるけれど、どうしても注意を向けてしまうのは一人だけだった。



旭 千草。

その名前で思い出すのは苦さばっかりだ。

砕かれたプライドはまだ、完治していない。




「ミスターコンって何が楽しいんだろうな、わかんねーわ」



隣で和泉しゅうも立ち止まって、エントリーした人たちの写真を見比べている。

正直なところ、癪ではあるものの、もしも和泉しゅうが私の高校だったら間違いなくエントリーされていると思う。

一位なんてとろうものなら、天使の権力で全力阻止したいけれど。


ミスコンは、去年、一つ上の先輩が不正をおかしたせいで、今年はなくなってしまった。私は、去年もエントリーされて、今年もそうなるつもりだったので、少し残念ではある。




「この中にお前の元彼二人いるんだっけ。どれとどれ?おもしろ」


買ってやるって言ったくせに、和泉しゅうは私が抱えていたカステラの入った紙袋に勝手に手を突っ込んでカステラを一つとったかと思ったら、そのままほいっと口に放り込んでしまった。

あげるつもりなんてなかったのに、許せない。


「この人とこの人だけど、一つも面白くないし」


ふたつの写真を指で示したら、和泉しゅうがそこに顔を近づけて、写真にうつる二人の男の子をじっと見た。