一番初めに私たちのクラスのところへ来てくれたのは、違う高校の女の子たちだった。
まったくもって天使な身なりではないし、女の子は恋愛対象ではないけれど、天使スマイルは欠かさない。
「映画、10時から上映しまーす!美味しいお菓子と飲み物もあるので、どうですかー?」
「わー!このコスプレ、ハロウィンでよく見るやつじゃん。可愛いー」
「ありがとうございますっ、えへへ。映画、どうですか?」
友情とか恋愛のバトルが起きない限りは、女の子たちも平和だ。
どうして、バトルが起きた瞬間に、牙をむくのだろうね。私なんかは、天使の羽で攻撃するのに。
なんてバカみたいなことを考えながら、にこにこしていたら、彼女たちはしばらく受付のところで迷った末に、中へ入ってくれた。
その後も、寄ってくれた人に同じような説明をして、中の状況を見つつ呼び込みをする。
思いのほか、ちやほやされている。
連絡先も渡されるし、イケメンとも話せている。
そりゃあ、初めからゼロではないとは思っていたけれど、予想以上だったので、気分も徐々に回復してきた。
天使じゃなくても、可愛いから全然アリみたいだ。
“ちやほや”って、本当に薬だと思う。
もしくは、ビタミンみたいなものだ。



