可愛くないから、キミがいい【完】







許せないところは、許せないままだ。

そんなのが愛しくなってしまう日が来たら、世界は終わってしまうと思う。

私の返事にパパは、しょんぼりと肩を落としていた。



だけど、本当に。パパの言ってることを私が理解できないのと同じように、私のこともパパは理解できないだろう。

それでも、パパが好きであることには変わりはないけれど。




いつの間にか、映画は愛のシーンに変わっていた。ぼんやりと見ていたら、虚しくなってきてしまう。


携帯を取り出して、唯人くんに連絡をしようと思ったけれど、結局、なんとなくやめておいた。

パパが隣にいる後ろめたさと、それから許せないところが何一つない相手に連絡しても余計に虚しくなってしまうのかもしれない、なんて、らしくないことを思ってしまったせいだ。