「今日どうだった?」
四人で並んで歩く。ここからは、女子トークだ。
「私は、たぶんあと一押しで付き合える気がするけど、トシ君ちょっと掴めないところあるから不安だなあ」
「でも、ミーナのことかなり好きそうに見えたけどね。私は、コウタ君と今日、手繋いじゃった」
「ええ、いいなあ。私は、ともきとは連絡先交換したくらいだよ。今度二人で出かけようとは言われたけど」
いいね、みんな幸せそうで。一番可愛い私が幸せになれない世界線って、なにかのバグだろうか。
「みゆは?」
三人の視線が一斉に私に向く。
内心ゲンナリしながらも、えへへ、と笑う。
「和泉君はないかなあ」
「え、でも、正直、旭君よりイケメンだと思うよ?」
どうして幸せな人は、そうじゃない人への配慮をやめてしまうのだろう。今、そんなことを言わないでほしかった。
どっちも同じくらい、最低な人だけど、僅差で和泉しゅうが勝っているかもしれない。
勝因は、私の天使じゃない部分を知っていて、バカにしてくるから。
「それに、みゆ、今日楽しそうだったよ?」
「……ええ、そんなことないよ。みゆは、マユとかミーナとかなほちんとかと回りたかったよ?みんな幸せそうだから我慢したんだもん」
唇を可愛く尖らせたら、ミーナが「可愛い子」って言って、抱き着いてきた。本当に嫌になる。



