可愛くないから、キミがいい【完】





「本当に、気持ち悪いやつだったら、どうしようかと思った」


突然、話し始めた隣の男に眉をよせる。


「はあ?」

「お前のがちゃんと計算でよかったって言ってんだよ。計算じゃなかったらそっちのほうが気持ち悪いからな。お前にちゃんと、狂暴なところがあって、俺は安心してるわ」

「……こっちは、最悪なんですけど」

「はは、だろうな」



パリン、とあかい飴が割れる。

それを、口の中でかみ砕く。


和泉しゅうは、なんだかちょっとだけ楽しそうだった。耳では、相変わらず、リープロイのピアスが光っている。



「いちごは、本当に好き?」


目つきの悪い目も、今日はなんだか柔らかい。

本当に、意味が分からない。



「……好きだし」

「へー、それは本当なんだ」



ムカつくから、うっかりを装って、足を踏んづけておいた。

周りにはばれていない。


和泉しゅうだけは、今までご機嫌だった顔を歪めて、ふざけんなよ、と、怖い顔で睨んできたけれど、私だってやられっぱなしではないのだ。