可愛くないから、キミがいい【完】




結局、バラエティ番組が終わるまで、和泉しゅうに体重を預けたままでいた。一度、二人で歯磨きをしに洗面所へ行く。

部屋に戻ると、和泉しゅうはそのままベッドへ向かおうとしたから、思わず裾を掴んで引き留める。

振り返って、わずかに首を傾げた彼の眉間に微妙に皺がよっていたから、こちらもつんとした表情をつくってしまった。


「……みゆとあんた、寝るの、一緒のベッドなの?」

「は?」

「は、じゃないし」

「嫌なのかよ。普通にそうだろ」

「嫌とは言ってないんですけど」

「じゃあ、なに?」

「……べつに、聞いただけ」

「まだ眠くないならソファでテレビ見ててもいいけど。俺はもうベッド行くぞ」

「……じゃあ、みゆも、ベッド行く」


裾を離したら、ゆるく頷かれる。

和泉しゅうに続いてベッドにあがって、横になったら、彼は部屋の照明の明るさを少し落とした後、自分の腕を枕にして身体ごと私の方へ向けてきた。

シングルベッドだから、広くはない。

顔だけを和泉しゅうの方に向けたら、至近距離で視線が絡んでしまう。

ゆっくりと瞬きを落とした彼に、なぜか背筋があまく震えた。

付き合うことになって、少しだけ、分かってきた。

和泉しゅうの瞳にねつがこもるタイミングとか、甘い雰囲気に変わる瞬間が。