階段をおりて、和泉しゅうの後に続いてリビングへ行く。
普段、料理はあまりやらないから大得意だとは言えないけれど、手先は器用な方だし、レシピがあればなんでも大丈夫だと思う。────なんて、張り切っていたけれど。
和泉しゅうが寄せ鍋の素を取り出して、あっさりと「鍋な」と言ったから、夜ごはんは、野菜を切ってお肉をいれるだけの寄せ鍋に決定した。この家の人が言うことに対して、さすがに文句は言えなかったから。
白菜と水菜とえのきと人参を切って、鍋に入れる。
和泉しゅうは、ときどき家でも料理をするようで、たかが鍋とはいえ、色々と手際がよかった。
すぐにできあがった寄せ鍋をテーブルの真ん中において、二人でつつく。
まだ高校生だけれど、この先も和泉しゅうと付き合っていたら、こうやって二人で夜ごはんを食べるのが当たり前になるのかもしれないと思って、少しくすぐったい気持ちになった。和泉しゅうは、きっと、そんなことを少しも思ってはいないだろうから、口にはしなかったけれど。
食べ終わった後、二人で皿洗いをしてから、順にお風呂に入ることになった。
さすがに夜は何もないなんてことはないだろうと思い、念入りに身体と髪を洗って、今日のためにもってきた可愛い下着とパジャマを身に着ける。
洗面所でスキンケアをして髪を乾かしてから、リビングへ戻ったら、和泉しゅうはプリンを食べながらテレビを見ていた。
「あがったけど」
「おせぇ」
「だから、みゆは、あんたと違って色々あるんだってば」
「あそ。次入ってくるから、俺の部屋戻ってろよ」
「……分かった。……お風呂は、ありがとう」
「おー。あ。みゆ、プリン食う?」
「いい、食べない。和泉しゅうの部屋戻る」
なるべく早くあがってよ、と言ってから、リビングを出る。階段をのぼって、和泉しゅうの部屋へひとりで入り、ソファに座った。
携帯を確認して、メッセージの返信をしてから、SNSの投稿アプリを開く。友達の投稿に適当にいいねを押して、好きな洋服ブランドのアカウントをチェックしていたら、数十分後、階段を上がる足音が部屋の向こうから聞こえてきた。



