可愛くないから、キミがいい【完】




それからは、お互いの好きな音楽を聴きながら、進路の話をした。

大学進学を目指しているということに関しては一致していたけれど、志望校も、学部も、興味分野も全く違っていて、和泉しゅうの進路の話を聞くのはかなり面白かった。

語学に興味があるらしい。
留学も海外旅行もしたいと言っていた。

和泉しゅうらしいと思う。

偶然にも、第一志望の大学は同じ地域にあって、かなりホッとした。遠距離になっても、別れるつもりはないけれど、会える距離にいるにこしたことはない。


和泉しゅうと話していると時間があっという間に過ぎていく。気がつけば、日も暮れて夜がきていた。

お昼に、ハンバーグランチといちごパフェで満腹になったはずなのに、少しだけお腹が空いてきている。



「みゆ、そろそろ夜ごはん食べたい」

「確かに、いい時間だしな」

「どうするの」

「母親に、野菜消費しろって言われてるし、あるものでなんか作る」

「……みゆも食べていいの?」

「俺だけ食べるとかどんなだよ。逆に、協力してくれないと困る」

「じゃあ、食べる。……頂きましたありがとうございますって、絶対に伝えておいてよ」

「おー」


まったく、分かってるのか、分かってないのか。

今まで、付き合ってきた人の親と交流したこともないから、さすがにどうすればいいのか分からない。絶対に嫌われたくないし、和泉しゅうのご両親となればなおさらだ。

一応、和泉しゅうにも、「ありがとう」とだけ言っておいた。