可愛くないから、キミがいい【完】




荷物を置いて家を出る。

洋食屋は和泉しゅうの家から五分ほど歩いたところにあり、かなり近所だった。

和泉しゅうに続いてお店の中にはいると、料理のいい匂いに包まれる。

二人とも、ハンバーグランチを注文して、食後に大きないちごパフェを半分こした。写真も撮れたし、ハンバーグもパフェもすごく美味しかったしで、大満足だった。

和泉しゅうも、パフェでご機嫌になったのか、洋食屋から和泉しゅうの家に戻る道では、互いの間に、珍しく、かなり温かな空気が流れていたと思う。

口喧嘩にもならなかったし、彼にムカつきもしなかった。





午後からは、アメリカのアクション映画を一本鑑賞して、ソファにだらしなく背を預けてのんびりと過ごした。

エンドロールが流れている間、そっと、隣に目を向けたら、少しだけ眠たそうに瞬きをする和泉しゅうがいて、その無防備さに、胸がきゅっとなり。


「……しゅう」

「ん?」

「この部屋、落ち着く、かも」

「そんなら、よかったな」

「眠たいの?」

「この時間は、微妙に」

「寝るわけ?」

「いや、お前がいるから寝ない」

「……ふぅん」


大きな欠伸をして、背を伸ばした和泉しゅうの隣で携帯を確認する。

友達のメッセージに返信をした後、お昼に洋食屋で写真を撮ったことを思い出して、SNSに投稿することにした。

最近は少しレトロなフィルターをかけることにはまっている。彩度をほんの少しだけさげたハンバーグの写真と、大きないちごパフェを真ん中にした私と和泉しゅうのツーショットを二枚、タイムラインにあげる。

すぐに返ってくるどうでもいい人からのリアクションの数々は無視して、「投稿したからね」と和泉しゅうに報告する。


「ん」

「ん、じゃない。ちゃんと、いいね押してよ」

「はいはい」