可愛くないから、キミがいい【完】



和泉しゅうの指が耳朶を撫でる。その触れ方が、少しやらしくて、身を引いたら、口づけを深められた。

舌を絡めとられて、ゆっくりと目を閉じたら、もう元カノのことはどうでもよくなっていた。

まさか今からするわけ、とちょっとだけ身体に力をいれてしまったけれど、そこで、和泉しゅうの唇が離れてゆく。


唾液の糸が、少し恥ずかしかった。

だけど、すぐに和泉しゅうが拭ってくれた。


和泉しゅうとするキスが好きだ。

言わないけれど、とても、好きなのだ。和泉しゅうも、そう思っていてくれていないと、いやだ。


「……このまま、するのかと思ったんですけど」

「アホかよ。真昼間から盛ってたらどうしようもないだろ」

「あっそ」

「みゆ」

「……なに、」

「したかったん?」


どう答えても、不正解になる気がして、首を大げさに横に振ったら、ふ、と鼻で笑われた。何様だ、ゆるせない。

それから、しばらく和泉しゅうとはソファで並んで話していたけれど、正午を超えたくらいで二人ともお腹が空いてきたので、昼ご飯を食べに行くことになった。

和泉しゅうが、今でもよく行くらしいラーメン屋さんと、幼い頃家族でよく行っていたらしい洋食屋を選択肢として提示してきたから、洋食屋を選んだ。