可愛くないから、キミがいい【完】



体育祭のページからも、和泉しゅうを探す。

左端から順に見ていたけれど、途中で、「このページはなし」と、和泉しゅうが次のページに行こうとしたから寸でのところでアルバムを彼から遠ざけた。

それから、程なくして、右のページの隅っこで、和泉しゅうが女の子と二人で写っている写真を見つける。ぴったりと半身をくっつけて、ピースしている。

和泉しゅうは、お決まりの仏頂面だけど、女の子はすごく幸せそうな顔だ。

数秒、その写真をじっと見つめた後、ゆっくりと和泉しゅうの方へ顔を向けたら、彼は少しだけ気まずそうな顔をしていた。


「……リープロイとは違う元カノ?」

「まあ、そう」

「どれくらい付き合ってたの?」

「半年ほど」

「……ふぅん。ムカつく。……ほかにも、この中に、昔付き合っていた子とかいるわけ?」

「そんなん知ってどうすんだよ」

「……別に」

「前も言ったと思うけど、折れて付き合うのがほとんどだったし、あんまりいい思い出がねーんだよ。俺は、別にお前の昔のことも、そこまで知りたくない。お前が話したいことなら別だけど」


強引にページを捲られて、ちょっとだけ睨む。

今日は、なるべく嫌な気持ちになりたくないし、さっさと折り合いをつけたかったから、ぎゅっと和泉しゅうの服の袖を引っ張って、「じゃあ、キスして」と言ったら、何も言わずに、彼は触れるだけの口づけを落としてきた。

じゃあってなんだよ、なんて、文句の一つでも飛んでくると思ったのに。


「……やっぱり、みゆ、もうアルバムはいい」

「おー」

「……アルバムは、いい、けど、あと一回して」

「一回だけ?」


頷いたら、またゆっくりと唇を重ねられる。

アルバムがソファから滑って、ごん、と鈍い音をたてて床におちる。