可愛くないから、キミがいい【完】





「和泉しゅう、どんな子だったの?」

「いまいち覚えてないけど、人見知りだったらしい」

「ふぅん。今じゃ考えられないけど」

「小学校でお前に会ってたら、俺、泣かされてたかもな」

「みゆだって、ちょっとは人見知りだったよ」

「嘘つけ。大勢の子分従えてた系女子じゃねーの」

「ちがうし。みゆは、小学生のときは、二人くらいの女の子とずっと一緒にいる大人しい感じだったもん」

「今度、お前の卒アルも見せて」

「……だめ」

「人の見といて、だめじゃねーわ」


授業風景が切り取られた写真のなかから、また、和泉しゅうが仏頂面でピースしている写真を見つける。修学旅行の写真にも、同じ表情で同じポーズをしている和泉しゅうがいた。

見ていくうちにじわじわと愛着がわいてきてしまい、大仏の前でダブルピースをしている仏頂面の和泉しゅうの写真だけ、携帯のカメラで上から撮っておいた。

和泉しゅうにムカついてどうしようもないときに見返そうと決める。

和泉しゅうも、久しぶりに自分のアルバムを見て懐かしくなったのか、二人で時間をかけて小学校の卒業アルバムを最後まで見た。


「つぎ、中学生のときのも見る」

「お前、こんなの見て本当に面白いのかよ」

「しつこいんですけど。面白いから見てるんだってば」


中学校の卒業アルバムを開いて、和泉しゅうの姿を探す。3年B組のページから、今よりも、ほんの少しだけ幼いくらいの和泉しゅうの顔を見つけた。

指でなぞったら、「呪うなよ」と、ウザいことを言われる。

中学校の卒業アルバムは、小学校のものよりも分厚くて、その分、載せられている写真も多かった。

文化祭や体育祭や修学旅行、それから部活の写真を順番に見ていく。

やんちゃそうな男の子の真ん中で、仏頂面でピースをしている和泉しゅうの写真が何枚かあって、彼は同性からも好かれる人間だったんだろうなとなんとなく分かった。