可愛くないから、キミがいい【完】






携帯を取り出してSNSの投稿アプリを開く。

検索したら、なほちんにドーナツ屋さんで見せられた動画は、すぐにでてきた。



画面の中の和泉しゅうがこっちを見ている。


また、心の奥が痛くなる。
というかさっきからずっと、痛い。

和泉しゅうが、意味の分からないことばかり言うから。ずっと欲しかった言葉を、今更、押し付けてくるから。


画面に、動画を表示させたまま、
溝に落ちている和泉しゅうの前へもっていく。

和泉しゅうは、怪訝な顔をして画面に目を向けていたけれど、数秒の動画が終わると、「あー、まじでウゼェ」と不透明な低音で毒を吐いて、苦笑いを浮かべた。



「これ、たぶん元カノのアカウントな」

「だから、その人とより戻したんでしょ。みゆ、知ってるもん」

「それどこの情報だよ」

「………みゆの友達だけど。とも君が言ってたって言ってたもん。それに、こんなの載せてるんだから、そうだとしか思わない。別の写真が載ってるのも、みゆ、見た。あんたがつけてたリープロイのピアスも、載ってた。みゆは、振られたことも、それ以外の色々なことも、あんたにだけ話したのに、その相手に、同じことをされたんだって思った。それで、みゆは、もう、絶対にあんたには、会わないって決めたの」



―――すごく、傷ついたから。

和泉しゅうにだけは、裏切られたくないと思っていたから。とは、言わなかった。


でも、なんだか、
ぜんぶ伝わってしまっているような気がした。


携帯をしまって、じっと和泉しゅうを睨む。