天使の崩壊だ。
いままで作り上げてきた私は、
絶対にこんなことをしない。
周りの人にも唯人君にも引いた顔をされていたら、とほんの少しだけ後悔が生まれる。
だけど、それどころではなかったのだった。
一度、爆発したらすぐには止まらない。
思いっきり、和泉しゅうの脚を蹴る。
彼が一瞬怯んだすきに、力いっぱい腕を引いたら、ようやく和泉しゅうの熱から逃げることができた。
そこで、もうすぐにでも逃亡すればよかったはずなのに、気持ちはおさまってくれなくて、言葉が次から次へと溢れてきてしまう。
「………察してくれないわけ? 無視するくらいゆるしてよ。連絡先も消したんだから、会いたくないってことだってわかんないの? みゆは、みゆのことを一番に好きでいてくれて、みゆのことを可愛いって思ってくれる人と一緒にいたい。みゆは、あんたといるとだめになる。あんたといるときのみゆは、全然可愛くなかったもん。自分のペースを乱されて、さいあくだった!もう、だれにも、裏切られたくない。可哀想になりたくない。だから、自衛してるの。武装しないと、傷つけられる。自分を守ってるの。それが、だめなの? ふざけんなって、こっちのセリフだもん。怒りたいのも本当はみゆだったのに、悲しすぎて、ひとりでおしまいにした。それが、だめだったの? だめじゃないよね。だって、あんたは、別に、みゆのことなんて好きじゃないもん。みゆも、好きじゃないもん。………だから、さよーなら、でいいんだもん。あのね、そういうものなんだよ、あんたと私の関係なんてその程度だよ。どうして、そんなことも、分かんないの?」
「はあ?」
「だから、もう、二度と会わない。本当に、これで最後だから。和泉くん、さよーなら」
唇を真横に結んで、和泉しゅうを睨む。
そうしたら、彼はさらに眉間に皺を寄せて、
一歩分、私に近づいてきた。
大きな、舌打ちをされる。
かなり怒っているのだと分かる。



