可愛くないから、キミがいい【完】





次の日は、目覚めたときから、可愛い自分でいようと決めていた。

昨日は、散々泣いたけれど、眠る前に目元のケアをちゃんとしたから、目が腫れることもなかった。気分をあげるために、髪も丁寧にまいたし、お気に入りの香水をつけて、学校に行った。



失恋で学校を休むなんて、そんなのは、ありえない。

学校では、いつも以上に愛想よく挨拶を返したし、自分に好意的な人たちには笑顔をふりまいた。

ミーナもマユもなほちんも心配してくれていたけれど、もう大丈夫だよ、といつも通り笑ったら、すぐに、安心してくれて。なほちんは、ドーナツで食中毒でもおこしたのではないかと責任を感じていたらしい。寺田に八つ当たりするところだった、と、ケラケラ笑っていた。



だれも、何があったかなんて気づいていないし、これから知ることもないだろう。

もう永遠に、和泉しゅうの名前が私の口から出ることはないし、会うことも、ない。



放課後、タイミングがいいのか悪いのか、久しぶりに非常階段のところに呼び出されて、隣のクラスの男の子に告白をされたけれど、容姿にあんまり気をつかっていないタイプだったし、話し方が少し偉そうだったので、丁寧にお断りをした。