可愛くないから、キミがいい【完】





なんとか咀嚼したドーナツをのみこんで、席を立つ。



もう、だめだと思った。


限界がほど近い。ここにいたら、自分がどうなってしまうのか分からない。逃げ出すべきだ。

頭の中がもうめちゃくちゃで、上手に呼吸ができないほどには、苦しかった。



「みゆ?」


三人は、心配そうに私を見上げたけれど、誰とも、ちゃんと目を合わせることなんてできなかった。


絶望すると、こころは丸裸になってしまう。
コーティングするには、時間がかかる。

これ以上、無防備な自分を晒し続けるなんて、耐えられない。



「……ごめんね。みゆ、今日、体調、悪いかも」

「え、いきなり?」

「うん、ごめん。帰る。また明日学校でね。ばいばい」



一生懸命笑おうとしたけれど、やっぱり無理で。

荷物をもって、すぐに三人に背中を向けて、テラスを離れる。


ちょっと、みゆ? と声をかけられたけれど、聞こえていないふりをして、そのままドーナツ屋さんを去った。