可愛くないから、キミがいい【完】





元カノとよりを戻したということ。

しゅーう、と呼べるくらいの距離感に自分以外の女の子がいるということ。



―――じゃあ、和泉しゅうにとって、私は、なんだったの?



そばにいていいよと言ったから、和泉しゅうは私のそばにいた。

キスをして、手を繋いで、抱きしめられた。


そばにいる、だけじゃなかったけれど、その理由を、私は、ずっと、聞かなかった。

見せたくない本性も本音もさらけだして。欲しい言葉も態度も何もくれなかったのに、一緒にいるのが楽しくて、好きになっていた。文句も嫌味もたくさん言えたのに、本当に知りたかったことは、なんにも、聞けなかった。

そう、聞けなかったのは、私だ。



だけど、和泉しゅうだって、何にも言わなかった。

それは、なんだ。

私に言うことなんてそもそも何もなかったということだったんだ。


和泉しゅうには、私が欲しかった言葉をあげる相手が別にいたのだ。



どうして、今まで気づかなかったんだろう。

考えてみれば、分かることだったのかもしれないのに。そういう考えに及ぶこともできずに、どんどん好きの気持ちは加速していって、私は、ただ、彼の、そばにいた。



「かっこいいよね、いいなあ、和泉くんと付き合えるとか」

「ミーナには、トシ君がいるでしょ?」

「そうだけど。和泉くんはやっぱりかっこいーじゃん?」


三人が笑っている。だけど、全然、笑えない。