お互いにあんまり流行りの曲は、
歌わなかったと思う。
和泉しゅうは、半分くらい洋楽を選曲していた。
ちゃんと分かっていて歌ってるのか聞いたら、
英語は得意だと言われる。
和泉しゅうが選ぶ曲はどれも雰囲気が好みのものばかりで、ちょっと悔しかった。
和泉しゅうも、同じだったみたいで、私の歌った曲を携帯でチェックしたり、真剣に歌詞が表示されている画面を見つめたりしていた。
一時間ほどノンストップで交互に歌っていたら、少し疲れてきてしまったので休憩をとることにする。
「久しぶりだし、声枯れそう」
「もともと、枯れてるみたいだけど」
「うるせーよ。つーか、今歌ったやつなに?」
「みゆがこっそり好きな歌手の新曲」
「めちゃくちゃ歌詞がよかった」
「みゆも、この歌詞が、好き」
「言葉遊びが、なんか、おもしれーな」
「じゃあ、この人の他の曲もあとで歌ってあげてもいいよ」
「ん。たのしみ」
そう言って、和泉しゅうはホットココアを啜る。
私は、烏龍茶をストローで吸い上げて飲みながら、ぼんやりと画面に映る知らないアーティストの新曲情報を眺めていた。



