可愛くないから、キミがいい【完】






それから、ほどなくして注文したパンケーキが運ばれてくる。

結局、和泉しゅうもいちごのパンケーキにしたみたいで、同じものがテーブルに並んだ。



甘い匂いが、ふんわりと香る。

和泉しゅうが、テーブルに置かれたパンケーキを見て、嬉しそうに少しだけ口角をあげた。

目がきらきらしているけれど、
目つきが悪いのでプラマイゼロである。



相変わらず、周りからの目線が冷たかった。

わざとらしく、「美味しそうだねえ、盛り付けすっごくかわいい!」と盛り上がってみたけれど、和泉しゅうは完全にパンケーキに釘付けで、ひとりで盛り上がっているみたいになってしまった。


最悪だ。一緒に来たのに、個人個人で盛り上がり方が違うのって、なんだか恥ずかしい。




食べる前に、写真だけ撮ってSNSにあげる。

不特定多数の人に、放課後が充実していると思われていたい。

内実なんて、きらきらした可愛いフィルターで全て誤魔化せる。


男の子と一緒にいるのだということを自慢げに知らせたいという気持ちは今はなぜか消失していたけれど、幸せそうに見られていたいという気持ちはずっとある。


和泉しゅうは、私が食べ物の写真を撮ることも、それをすぐにSNSにあげることも、もうあんまり気にしてないみたいだった。