可愛くないから、キミがいい【完】







うっかり、聞いてしまう。

そうしたら、何聞いてんだよ、みたいな顔で、和泉しゅうは「お前は、広野みゆっていうカテゴリーでしかない」なんて、一つも望んでいない返事を寄越してきた。


どうでもいい人間なのか、
どうでもよくない人間なのか、聞いたのだ。

どうして、そんなことも分からないんだろう。

今日も今日とて、全然、思い通りに行かない。



「……どうせ、パンケーキひとりで食べに行くのが嫌だから、みゆについてきてほしかっただけなんでしょ」

「じゃあ、逆に、何もないけど会おうって言ったら、広野は会うのかよ」

「そんなの、………会わない、けど。たぶん」

「なに、たぶんって」

「……みゆのこと都合がいい、とか思ってるなら、最低だからね」

「そんなこと一ミリも思ってねーけどな」

「ふぅん。まあ、一緒に来てあげてるんだから、ちゃんと感謝してよ」

「どーもな。それは、ちゃんと、感謝してる」


素直に感謝されたら、それはそれで微妙な気持ちになる。和泉しゅうは、テーブルに頬杖をついて、ゆっくりと瞬きを落とした。


じっと、見られる。


周りの目もあったから、可愛い上目遣いで見つめ返したら、その瞬間、白けた顔ですぐに目を逸らされた。