可愛くないから、キミがいい【完】





「決めた?」

「うん。みゆは、いちごのパンケーキにする」

「あー、俺も、プレーンといちごで迷ってる」

「早くしてよ」

「じゃあ、いちごにするわ」



パタン、とメニューを閉じて、和泉しゅうが店員さんを呼ぶ。

注文をする声が、やはりなんだか張り切っているように聞こえて、ちょっとだけ笑いそうになってしまった。


店員さんが去っていったあと、向かい合って座っている和泉しゅうのほうに少しだけ顔をよせたら、「なに」と彼が首を傾げる。




「……はりきりすぎてかっこわるいから、ちゃんとしてよ」

「は? はりきるにきまってるだろ。ずっと食べたかったし。まあ、ひとりではさすがにいけなかったけど」




周りをちらと見渡して、苦笑いをする和泉しゅう。

なんにも周りのことなんて気にしない人だと思っていたから、少し意外だった。

そういえば、学祭のときのスタンプラリーも一人で回るのは恥ずかしいみたいなことを言っていたかもしれない。




「和泉くんなら、別に一人でどこでもいけそうなのに」

「はは、何だそれ。俺のことなんだと思ってんだよ」

「他人のことなんてどうでもいいひと」

「どうでもいい人間のことはどうでもいいし、どうでもよくない人間のことは全然どうでもよくないな」

「みゆは、どうなの」