可愛くないから、キミがいい【完】






改札に入ったところで、隣に並ぶ。そうしたら、和泉しゅうは、歩くペースを私に合わせてきた。

ホームに辿り着くまでになんとなく、わざとゆっくり歩いてみたら、「おせぇ」とすぐに文句が飛んでくる。



「パンケーキ付き合ってあげるんだから、文句言わないでよ」

「明らかにペースゆるめただろ。パンケーキが遠のく」

「そんなに食べたいわけ?」

「うん。昼くらいから、お前とパンケーキ食べに行くこと考えてた」

「……ふぅん」




私と食べに行くこと、なんて紛らわしい言い方をしないでほしい。別に、私はおまけであり、パンケーキがメインなのだ。

私にそんな扱いをできる男の子って、本当に、和泉しゅうだけだと思う。






パンケーキ屋さんは、学校帰りの学生でかなりにぎわっていた。


女の子たちばっかりで、男の子だけでは、あまりこれないような雰囲気である。男女で来ているのは、私たちを含めて三組ほどだった。

それだからか、少し周りの視線は冷たくて、カップルで来るな、みたいな意思を感じる。

だけど、そんなものは痛くもかゆくもない。



和泉しゅうとはカップルではないし、そもそも、私のほうが可愛いのだから、ひがまないでパンケーキでもなんでも頬張ってればいいのに、なんて思いながら、わざと澄ました表情で和泉しゅうのそばにいてやった。


和泉しゅうは、まわりなんて気にする素振りを見せずに、メニューに目を通している。