可愛くないから、キミがいい【完】






放課後は、ホームルームが終わって、
すぐに、ひとりで高校を出た。


〈ついた〉という絵文字も何もない素っ気なさ過ぎる三文字のメッセージが送られてきたのは五分前のこと。

〈みゆはまだ〉とこちらも可愛いスタンプを何一つつけることなく、五文字を送り返す。


携帯をしまって、学校の中では我慢していた溜息を、人気がないのをいいことに、はー、と思いっきり吐き出した。




ミーナたちにも誰にも言っていないけれど、和泉しゅうとは、テーマパークで“お詫び”のデートをした日以降も何度か放課後に二人で会っていた。

“またな”という別れのセリフは本当になり、予想以上に早く再会を果たすことになったのだ。



誘ってくるのは、ぜんぶ和泉しゅうだけど、そのすべてに応じてしまっているのはほかでもない私だ。

今はかっこいい男の子に近づくどころではないというのは、完全に和泉しゅうが原因だった。



私の高校の最寄り駅が、だいたい待ち合わせ場所に設定される。

会う理由のほとんどは、パフェを食べに行くのに付き合えだの、スイーツバイキングに付き合えだの、甘いスイーツのためである。

だけど、毎度、それだけで終わることもなく、なんだかんだ、最後には楽しんでしまっている自分がいてだめなのだ。



和泉しゅうだって、本当に何を考えているのか分からない。

そばにいていいよ、と言ったことを、
どれだけ、本気にしているというのだろう。

反応が手に取るような簡単な男の子ではないし、なにより、彼の前では可愛い自分でいないので、通常の基準がつかえない。