「………ふぅん」
「ふぅんってなに」
「………おやすみなさいってこと」
「はあ? 空気読めねーの?」
「あんたの前では、みゆは、空気とか読みたくないの」
それに、空気を読まないのはお互い様であると思う。
どんな顔で和泉しゅうが話しているのかは、見ないようにしていたから、分からない。
ただ、声はやはりクリアではなくて、低くて、なんだか優しく諦めたような声音をしていて、心臓がぎゅっと痛む。
和泉しゅうは、「ウゼェ」と言って、毛布の下で私の足にとん、と自分の足をあててきた。
ウザい、は私の台詞だ。
なぜか、泣きたい。
だから、絶対に、ウザいは、私の台詞なのだ。
意味が分からないけれど、和泉しゅうのせいで、いま、目の奥がじーんと熱くなっていた。



