和泉しゅうは、視線を逸らさない。
温度が上がる。
なんで、まだ、そんなに熱のこもった目で見てくるのだろう。
私なんてタイプじゃないくせに。
可愛いとも思ってないくせに。
魔が差すことでさえ、
ありえないと思っていたのに、どうして?
―――どうして、私は、いま、何ひとつとして、嫌だと思えないんだろう。
答えを掴んでしまう前に、
もう一度、目を閉じる。
そうしたら、
また、和泉しゅうの唇がおりてきた。
今度はさっきよりも深い口づけだった。
ゆっくりと啄まれて、角度を変えてまた重なる。
和泉しゅうがどんな顔をしているのか見てしまったら、もう完全に戻れないかもしれないと思って、唇が触れあっている間は、目を閉じたままでいた。
唇が離れて目を開けたら、和泉しゅうは、ふ、と糸が切れたように表情をゆるめて、微妙な苦笑いを浮かべていた。
ようやく熱が私と和泉しゅうの間から、
逃げていく。



