目が合った瞬間に、生まれた不本意な雰囲気。
不本意だったのに、それを壊したくなくて、自ら沈黙を選んでしまったことで、今まで頑なに守っていた気持ちを諦めることになった。
目を合わせているうちに、和泉しゅうの眉間の皺がゆっくりと消えていく。
目を逸らすことができなくて、部屋の明るさのことも、睡眠のことも、和泉しゅうのせいで簡単に遠くへいってしまう。
最初は、至近距離でにらみ合っていたはずだったのに、いつの間にか、ただ見つめ合っているみたいになってしまっていた。
和泉しゅうの睫毛の揺れでさえ分かるような距離だ。
つん、と澄ました態度をとる余裕もないなかで、ゆっくりと瞬きをする。
その瞬間、
正しい時間が止まったような気がした。
熱が、生まれる。
どちらから生まれたのか、分からなかったけれど、瞳を合わせているせいで、それを共有するしかなかった。
和泉しゅうが、今までに一度も見たことのないような艶のある表情で目を伏せる。



