可愛くないから、キミがいい【完】





今度こそ和泉しゅうに背を向けて、
ゆっくりと瞼をおろしかける。

だけど、「おい」と、おやすみのときとは違う、少し怒ったような声が隣から聞こえて。



「なに? みゆ、もう寝るんですけど」

「真っ暗にするなよ」

「はい?」

「部屋。真っ暗にするな」

「みゆは、真っ暗じゃないと眠れないの」

「ホラーなんか見た後で、ありえねーだろ。俺は、微妙に明るくないと眠れねーんだよ」

「みゆは、絶対に真っ暗じゃないとだめ」

「毛布かぶれよ。そしたら真っ暗だろ」



和泉しゅうの手が伸びてくる。

それで、カチと音がして、また部屋に明かりが戻ってきた。すぐに、私もテーブルランプの電源を落とし直す。

そうしたら、また、和泉しゅうは手を伸ばして、それをつけて、私はまた消して。



明るくなったり、真っ暗になったり。

私も譲る気がなかったし、和泉しゅうもそうだったのだと思う。