可愛くないから、キミがいい【完】






少し大きめのはる兄さんのシングルベッド。

二人でそれを見下ろしていた数秒後に、「どうする?」と和泉しゅうが尋ねてくる。



「……どうもしたくない」

「まあ、仕方ねーだろ。俺は、床で寝るのは嫌」

「みゆも、床は絶対に嫌だけど」



そこで、和泉しゅうはベッドから私に視線を向け、「どっち?」と首を傾げた。

「何が?」と彼を見上げて聞き返す。



「奥か手前」

「………別に奥ゆずってあげてもいいけど」

「ほんと?」

「みゆは、手前がいいし」



どちらも床で寝るのが嫌ということになれば、もう、どうして同じベッドで寝るという前提は捨てることが出来ない気がして。

下心のひとつも含んでいような、何を考えているのか分からない顔の和泉しゅうに見下ろされていて、落ち着かない気持ちのまま唇を横に結ぶ。