可愛くないから、キミがいい【完】





「みゆは、そんな汚い声で、怖いよお、なんて言わないもん」

「汚いってなんだよ」

「低いし、掠れてる」

「それ、割と気にしてるっつーの」



そもそも、家族以外の人とホラー映画なんて見たことがない。和泉しゅうがはじめてだ。


だけど、私は、もしも別の男の子とホラー映画を見たとしたら、しっかり怖がったふりをするのだと思う。

怖がっている女の子って可愛いし、男の子はみんな守ってあげたくなるような子が好きだって分かっている。





「そろそろ、俺は寝るけど」


しばらくローテブルに肘をついたままでいた和泉しゅうだったけれど、立ち上がって、一度大きく伸びをした。

もうかなり夜も深まっていて、いい加減、私だって眠らないと明日に響く。




だけど、問題はここからだった。

そう、本当に、ここからなのだ。



直面したくなくて、今まで、遠ざけていたのかもしれない。