和泉しゅうは、再び、はーーーー、と長い溜息を吐いた。それから、渋々感満載に私の隣に腰をおろして。
「クソすぎる」と汚い言葉を吐いたけれど、
結局一緒に見てくれるみたいだ。
映画が放送されている間、和泉しゅうはずっと親指で耳を塞いで、それ以外の指を目の前にあてて、いわゆる恐怖への防御態勢を取り続けていた。
強制的に見させられている状況で、不機嫌な様子を隠すこともなかったけれど、それよりも怯えが滲んでいるのがおかしかった。
普通の男の子なら積極的に隠すはずの、格好悪い部分だと思う。
それなのに、和泉しゅうは、平気で怖がっていて、他人にどう思われるかを本当に気にしていないみたいで。
エンドロールが中途半端に終わり、不穏な雰囲気を台無しにするような明るいCMが流れたところで、ようやく和泉しゅうは目と耳を塞いでいた手をおろした。
かなりの体力を消耗したのか、ローテーブルに項垂れるように肘をつく。
「無理すぎる、お前のせいで寿命縮んだ」
「でも、和泉くん、全然見てなかったよね」
「見てただろ」
「みゆは、前にも見たことあるし、面白いって思ったけど」
「あそ。あー絶対夢に出る。お前も、猫被ってたら、怖いよお、とか言ってんだろ、どーせ」



