可愛くないから、キミがいい【完】




動物のドキュメンタリー番組はいつの間にか終わっていて、ニュースが流れていたから、リモコンを操作して番組表を表示させる。

そうしたら、ちょうど五分後に、深夜の映画スペシャルかなんかで、ホラー映画が放送される予定になっている放送局を発見してしまった。



むくりと意地悪な気持ちが膨らむ。

ちら、と横目で和泉しゅうを確認したけれど、
彼は何にも気づいていないみたいだった。

アイスに気をとられているのだ。馬鹿みたい。

しなっとそのチャンネルを選択して、リモコンを和泉しゅうから見えないところに置いた。



それで、五分後。

アイスを早々と食べ終わり、胡坐をかいで寛ぐ和泉しゅうだったけれど、『この後は、―――』と、ホラー映画が放送される予告が入ったところで、手のひらだけ、私の方に向けてきた。



「リモコン貸して」


ホラーが無理だと言っていたのは、
いつのことだったか。

たしか、学校祭のときだった気がする。


弱みだと思ったから、仕方なく今でも覚えていた。それが、こんなときに使えるとは思わなかったけれど。