可愛くないから、キミがいい【完】




「ちょっと、なんか変わってる気がする」

「……みゆは、ノーメイクでも変わらず可愛いって有名なんだけど」

「目の辺り、なんか違う」

「間違い探ししないでよ」

「まあ、べつに、どっちもお前に変わりはないけどな」


それ、きっと女の子にとっては地雷にもなり得る言葉だ。

だけど、別に和泉しゅうは嫌味として言っているわけではなさそうで、他意もなく本当にそう思っているだけなのだと思う。



「……和泉くんは、化粧の濃い女の子が好きそう。みゆの勘だけど」

「いや、どうでもいいだろ、化粧の濃さとか」

「ふぅん……じゃあ、何で決めるわけ?」

「性格と、居心地の良さ? 前言わなかったっけ」

「忘れたし、聞いてないと思うけど」

「あそ」

「………」

「まあ、あんまり理屈じゃねーな。そういうのは」



そう付け足した和泉しゅうは、なんだか呆れたような、諦めたような、そんな苦笑いを浮かべているように、私は感じた。

別にそこまで知りたいわけじゃなかったし、どうでもいいことなのに、今の自分は本当に対象外だと思ったら、負けず嫌いの気持ちからか何なのか、少しだけ不愉快な気持ちが生まれて、それを誤魔化すようにクラムチャウダーに口をつけた。