可愛くないから、キミがいい【完】




はる兄さんの彼女とは、背丈が同じくらいなのか、パジャマはぴったりだった。

素材も、柔らかくて気持ちがいい。
しかも柔軟剤のいい匂いがする。

イケメンと付き合っていて、なおかつそのイケメンを夢中にさせているみたいなのだから、相当可愛い彼女なのだと思う。


別にみゆも負けてないはずだけど、と謎の対抗心を抱きつつ、着替えてから部屋に戻ると、和泉しゅうは、私を一瞥して、すぐにテレビへ視線を移した。


バラエティー番組が放送されている。


また、和泉しゅうから少し離れたところに座る。

ローテーブルの上には、和泉しゅうがさっき買ってきたのであろう、コンビニのお惣菜と水が並んでいる。



膝を抱えて、体操座りをしながらテレビの画面を見つめる。


「……みゆ、バラエティーあんまり興味ないんだけど」

「へー」

「音楽番組とかがいいから、変えてほしい」

「自分で変えろよ」



はい、とリモコンを渡される。

なんだか、やっぱり、すぐに和泉しゅうには文句を言いたくなる。

リモコンでチャンネルを切り替えてみたけれど、結局、どの局も音楽番組を放送していなくて、元のバラエティーに戻した後、和泉しゅうにリモコンを返したら、「いまのは何の時間だよ」と、彼は怪訝な表情を浮かべた。



「つーか、具入りのやつ、コンビニで買ってきたけど。クラムチャウダーと豚汁と、どっちがいいの」

「……クラムチャウダー」

「ん」


ローテーブルに置いてあったクラムチャウダーの容器と割りばしを渡される。

手にもった状態では食べずらそうだったから、渡されたものをテーブルに置き直して、自分がローテーブルの傍へ行った。

そうしたら、テーブルのところで胡坐をかいていた和泉しゅうとも必然的に近づいてしまう。