可愛くないから、キミがいい【完】





飴を頬によせて、和泉しゅうを見上げる。

相変わらず、彼は目つき悪く私を見下ろしている。



「何なわけ?」

「何って、飴」

「……みゆ、メロン味の飴そんなに好きじゃないんですけど」

「あっそ」



本当は好きだけど、そんなに好きじゃないことにしておく。

スタンプラリーのたったひとつの景品を私にくれる理由が分からなくて、どういう表情をつくればいいのか迷ってしまう。


さっきから、口にするもの全てが甘ったるい。

カステラも、メロン味のあめ玉も。


この男、こんな無愛想でいけ好かない態度ばかりとってくるけれど、もしかして、本当はやっぱり私のこと好きなんじゃないの?

ばぁーーーかって言ってやりたい。


だけど、どう考えても私のことを可愛いって思ってくれてもいないようだし、私のことを好きな男の子は絶対にこんな態度をとってこない。

だから、言ったところで、馬鹿にするような笑い方をされて終わりだってことは分かってるつもりだ。