「……そうだよ。わたしだって好きなの!矢神くんのこと!だから、矢神くんのこと取らないでよ!!」

 「……好きならそんなふうに言うんじゃなくて、堂々とすればいいんじゃない?」

 「はぁっ!?アンタ、矢神くんと付き合ってるからって、いい気にならないでよね!!」

 「………っ!?」




 殴られる……!
 そう思ったその時……。





 「……おい。美南になにしてんだよ」

 その子の腕を掴んで、そう声を出したのは。




 「る、琉生くん……」

 「や、矢神くん……!」

 「おまえ、美南になにしようとしてるわけ?」

 「っ……べ、べつに!ちょっと話してただけじゃん!」

 「……もし美南を傷付けるようなことしたら、オレが許さねぇから」