「それは楽しみだな」

 「あ、あまり期待しないでね?」

 「……そう?」

 「う、うん。初めて、男の子にお菓子とか作るし……」

 「……えっ、オレが初めてなのか?」

 「うん。そうだけど……?」

 「オレからしたら、それは嬉しいけどな?」

 「えっ?」

 「……だって美南にとって、そういうのって、オレが初めてなんだろ?」

 「うん。まぁ……そうだけど」

 「なんかちょっと……そういうのって、嬉しいかも」

 「……え?」

 「おまえとの初めての相手は、オレなんだろ?……それって嬉しいことなんだよ」

 「琉生くん……」




 そうやって言ってくれる琉生くんが嬉しくて、わたしはほんとに、琉生くんのことを知りたいと思った。